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更新日:2020年1月1日
天平二十一年、聖武天皇の思いが込められた盧舎那大仏の造立がまさに最終段階を迎えようとしていた時、大仏を綾なす黄金の発見が都に伝えられました。宇佐八幡の「必ず黄金を国内より出さん」との御神託どおり、四月十四日に陸奥の国から大量の黄金が献上されました。聖武天皇は、この瑞祥を喜ばれ、七月二日には天平感宝という日本で初めての四文字元号に改元されました。
聖武天皇が東大寺を建立された当時、世は天変地異・疫病・凶作等が続き、一方権力闘争までもが繰り返され、民衆の不安・困窮などに天皇は悩んでおられました。聖武天皇は、大仏建立を通して、人々が繋がりを深めて心を一つに結び、互いの力を合わせることによって災いを克服されんことを望まれました。
こうして多くの人々や各地の繋がりによって、天平勝宝四年四月九日に黄金に輝く盧舍那大仏が開眼されました。
今度の東日本における災害は、未曽有の出来事でした。古に人々の幸せと国家安泰のため、至難の業だと思われた大仏建立を人々の絆によって完成したことを手本にして、復興が早期に終わることを願っております。
東大寺別当 筒井 寛昭
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