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更新日:2023年3月13日

施政方針

施政方針とは、町長の町政運営の基本方針として、翌年度の主要事業や予算について方向性を示すものです。

令和5年度施政方針

令和元年5月26日に町民の皆様から町長という重責を託され、はや3年9か月が経過し、この間、町民の皆様を始め、議員各位に御協力・御指導・御鞭撻を賜りましたことに、この場をお借りして心から感謝を申し上げたいと存じます。
これまでを振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい続けたこの3年間、町民の皆様の健康と生命を守るため、ワクチンの集団接種体制の確立をはじめ、公共施設の利用休止、各種イベントの縮小・中止等の蔓延防止対策に、多くの皆様の御理解をいただきながら、取り組んできたところでございます。
そのような厳しい状況下におきましても、私が最優先に取り組むべきこととして、就任当初から申し上げております、財政の立て直しにつきましては、町民の皆様を始め、議員各位に御理解と御協力をいただきながら、一つ一つの課題解決に向けて全力で取り組んでまいりました。
お陰様で、基金残高の増加や将来負担比率が改善されるなど、着実な成果が表れてきているところであります。今後は、町民の皆様が安心して生活していただけるよう、財政非常事態からいち早く脱却し、生活環境を整え、奉仕することが、町長としての責務であると心得まして、任期を全うするまで全力で職務に当たる所存でございます。

基本的な考え方

財政再建計画における計画期間の最終年度となる令和5年度の予算編成の基本的な考え方は、財政の早期健全化に向け、財政再建計画の確実な実行とともに、町長選挙が来月に実施予定であり、当初予算につきましては、経常的な経費や義務的経費、継続事業に係る経費を中心とする、「骨格予算」として編成いたしました。
予算編成の根幹となります第五次涌谷町総合計画後期基本計画は、町民の皆様から御意見をいただき策定いたしました令和7年度までのまちづくりの指針となるものであります。従いまして、総合計画は、誰が舵を取っても本質は揺るがないものと考えております。なお、骨格予算に含まない政策的な事業につきましては、選挙後において予算化していくものと考えておりますので、議員各位をはじめ、町民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。そのような中で、令和5年度の一般会計の予算総額は、72億5,015万4千円となり、前年度比で6億4,282万9千円9.7%の増となりました。
歳入では、町税収入におきまして、長引く新型コロナウイルス感染症による景気低迷及び人口減少により個人町民税の減少はあるものの、新規設備投資や太陽光発電設備による償却資産の増加などから、町税全体では前年度比2,293万3千円1.6%の増収を見込んでおります。地方交付税におきましては、地方財政計画で増額が見込まれており、本町におきましても、普通交付税について1億1千万円4.3%の増、特別交付税については国民健康保険病院の病床削減による交付増を見込むことから、交付税総額では、前年比1億8千527万9千円、6.6%増の29億7千143万1千円を計上したところでございます。町債につきましては、辺地対策事業債等の増により940万円4.3%増を見込んでおります。
歳出では、物価高騰などにより商工費、消防費、教育費を除く、すべての科目で増額となっておりますが、本年度につきましても財政再建を進めるべく、財政規律を維持し、財政調整基金を取り崩すことなく予算編成を行ったことから、基金残高は令和4年度当初と比較し増加しております。

一般会計の主な施策・事業

令和5年度に実施する主要事業について、総合計画に示された五つの分野別施策に沿って申し上げます。

交流が豊かさ育むまちづくり

第一、「交流が豊かさ育むまちづくり」について申し上げます。

観光振興におきましては、コロナ禍により落ち込んでいた観光需要の回復が見込まれることから、「桜まつり」「東北輓馬競技大会」「夏まつり」「秋の山唄全国大会」などの地域イベントの開催を契機に、涌谷町観光物産協会や観光関連事業者と連携しながら、地域の活性化及び誘客につなげてまいります。また、日本遺産「みちのくGOLD浪漫」に、昨年、石巻市が新たに加わったことで、構成文化財として「金華山詣」「金華山道」が追加認定されました。これによる新たな観光周遊ルートを形成し、各種ツアーの造成等による交流人口の増加に大いに期待するところであります。
商工業振興におきましては、コロナ禍からの厳しい状況は緩和されつつあるものの、一方で長引く原油価格・電気料金・物価の高騰等が中小企業等の経営に大きな影響を与えております。そうした中小企業者の円滑な資金調達を支援するため、中小企業振興資金貸付制度を継続するとともに、地域の発展のため活動している遠田商工会や涌谷町シルバー人材センターへの補助を継続し、商工業の振興を図ってまいります。企業誘致活動におきましては、停滞していた社会経済活動が徐々に回復していることから、引き続き情報発信・情報収集に努めるとともに、宮城県企業立地セミナーへの参加や県内外の企業訪問など積極的な誘致活動を展開し、黄金山工業団地の早期完売はもとより、町内への企業誘致に邁進してまいります。農業振興におきましては、町の根幹となる農業の振興、活性化を図るために、経営の基盤となる農地の汎用化を促進し、労働生産性の向上を図るため「県営ほ場整備事業」により名鰭、鹿飼沼、出来川左岸上流・下流、4地区の整備とともに、担い手への農地集積・集約化を推進してまいります。また、「農作物病害虫防除事業」の継続をはじめ、地域での共同活動や担い手の育成の支援を行うとともに、米価が低滞している、主食用米から園芸作物や飼料作物などへの大規模な作付け転換など、他産地の動向などを考慮しながら、経営の安定化、高度化を支援してまいります。一方で、継続的に支援してまいりました「金のいぶき」は、健康志向の高まり等により、需要量に供給量が追いつかず米価が高値で推移しております。この供給不足を補うべく、本町では生産者の意欲的な取組により本年度の作付け面積が前年比37ヘクタール増の120ヘクタールに拡大する見込みであります。また、「金のいぶき」は「パルシステム神奈川」でも取り扱っていただいており、更なる知名度の向上と定着化、需要の高まりによる農家所得の向上が期待されるところであり、引き続き事業を推進してまいります。
畜産振興におきましては、令和9年に北海道で開催が予定されております「全国和牛能力共進会」への出品候補牛の選出を目指し、家畜防疫費用等の補助を行うなど畜産経営の安定化を図り、林業振興におきましては、森林の適切な管理を行うため、意向調査済み地区に係る経営管理権集積計画を作成し、森林環境の整備を進めてまいります。

健康長寿に向けたまちづくり

第二、「健康長寿に向けたまちづくり」について申し上げます。

健康づくりにおきましては、コロナ禍により受診率が低迷しおりました特定健診やがん検診について受診率の向上と併せて、特定保健指導を集団バス健診当日に行うなど、実施率の向上を図ってまいります。また、引き続き「第二次わくや健康ステップ21計画」「第四次涌谷町食育推進計画」等に基づき、生活習慣病を予防する取組を推進し、健康格差の少ない共生社会の実現を目指してまいります。
地域福祉におきましては、少子高齢化による人口減少が進み、あらゆる分野で担い手が減少し地域社会の持続が難しい状況に加え、ひきこもり等の社会的孤立、介護と子育てのダブルケアなど地域住民の生活課題は複雑化・複合化しており、包括的な支援が必要とされております。本町では、これらの課題に対応するため、関係機関と連携した取組を行ってまいりましたが、本年度から「属性を問わない相談支援」「社会参加支援」「地域づくりに向けた支援」を一体的に行う、重層的支援体制整備事業を実施することで、全ての住民が、地域と暮らし、生きがいをともに創造していく「地域共生社会」の実現を目指してまいります。
また、心身に障がいをお持ちの方が、社会参画しやすい環境整備や日常生活を支える環境づくりを計画的に推進し、誰もが自分らしく安心して暮らせるまちづくりに向けて、第4期涌谷町障害者プラン、第7期障害福祉計画、第3期障害児福祉計画の三つの計画を一体的に策定いたします。

子どもの成長支えるまちづくり

第三、「子どもの成長支えるまちづくり」について申し上げます。

「子育て家庭を支える視点」といたしまして、妊産婦への助成をはじめ産後のケア事業等を実施するほか、安心して出産・子育てができるよう伴走型相談支援事業と出産・子育て応援給付金事業により、妊婦、子ども一人当たりそれぞれ5万円を給付し、低所得の妊婦に対しては、本年度新たに初回産科受診料を助成いたします。さらに、「子育て世代包括支援センター」を中心に、産後、安心して子育てができるよう、切れ目ない支援を行ってまいります。
次に「安心子育て支援プラン」につきましては、令和7年度からの5年間を期間とする第3期計画の策定を予定しており、本年度は計画の基礎となるニーズ把握調査及び分析を行います。また「子どもの貧困対策法」による市町村計画の策定が求められておりますことから、地域における実態や課題を把握するための調査を併せて行い、一体的な計画を策定することで幅広い支援につなげてまいります。子育て世帯の多様な保育ニーズに対応するため、0歳から5歳までの乳幼児期の保育、教育につきましては、保育所・幼稚園、認定こども園を含め各施設と連携し、町全体で子育てや保護者を支援いたします。学童期の児童を対象とした放課後児童クラブでは、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりと、楽しみ、学びながら生活できるよう、民間事業者による専門的で安定した運営を継続してまいります。また、保護者が急な疾病等で子どもを養育できない場合には、里親宅で一時的に預かる「短期入所生活援助事業」を継続して実施いたします。
子どもへの虐待防止対策につきましては、「要保護児童対策地域連絡協議会」を中心に、関係機関との連携・協働による早期対応を実施するほか、民間団体が訪問時に食料支援や相談援助を行いながら子どもを見守る「支援対象児童等見守り強化事業」への補助継続により、子ども達の安全を見守る機会を確保してまいります。さらに、こうした子育てに関する充実したサポートや支援策とともに、町外からの子育て世帯の移住定住を促進するために「わくや新生活応援補助金」を継続し、経済負担の軽減を図るなど子育て環境の更なる充実を図ってまいります。
学校教育におきましては、本年度も「涌谷町教育基本計画」に基づき、幼児及び児童生徒に「生きる力」を育むことを目指し、基礎的・基本的な知識や技能の確実な習得に加え、課題解決に必要な思考力、判断力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を活かす教育の充実に努めてまいります。学力向上対策といたしましては、「市町村教育委員会との連携による学校サポート事業」を継続し、宮城県総合教育センターからの指導を受けながら、小・中学校と教育委員会が連携して学力向上に取り組んでまいります。不登校児童生徒への支援といたしましては、引き続き「わくや子どもの心のケアハウス」を拠点として、学校や関係機関と連携を図りながら、児童生徒及び保護者へのサポートを行ってまいります。また、GIGAスクール事業につきましては、現在、各学校においてタブレット端末等を使用した授業実践や家庭への持ち帰りによる運用などの活用が進んでおり、更なる活用を推進するため、新たに「教育ICT支援業務」を委託し、先生方の支援を行ってまいります。学校給食につきましては、児童生徒の心身の健全な発達のために、安全・安心で栄養価の高い学校給食を提供するとともに、これまで同様、積極的に町内・県内産の地場産品を取り入れ、地産地消及び食育の推進を図ってまいります。
次に、生涯学習につきましては、子どもから高齢者まで、各世代に応じた事業を展開し、サークルや地域コミュニティ活動の拠点として、町民の皆様から愛される公民館を目指します。また、「元気わくやふれあい町づくり事業」を継続し、学校と地域が連携して子どもたちの学びや成長を支える環境づくり、地域活動や交流の場づくりを進めるとともに、スポーツ体験の機会を提供することで、町民の皆様が生涯を通じてスポーツに親しむことができる環境整備に努めてまいります。
文化財関連事業におきましては、本年度に文化庁へ認定申請を予定しております「涌谷町文化財保存活用地域計画」に基づき、町内に点在している文化財の保存・活用を図り、その中で町指定史跡佐々木家屋敷の活用を推進してまいります。

 

安全で快適な環境のまちづくり

第四、「安全で快適な環境のまちづくり」について申し上げます。

近年、各地で集中豪雨などによる自然災害が多発しております。本町でも昨年7月の大雨により、町内を流れる出来川においてヨークタウンの南側付近で破堤寸前の大規模な越水が発生し、名鰭地区においては破堤による甚大な被害を受けたことから、自然災害への対策が急務となっております。さらに、町内には土砂災害警戒区域が多数存在しており、総合的な防災対策と避難対策が必要となりますことから、住民参加型のより実践的な総合防災訓練などを実施、継続していくほか、災害時の情報伝達の向上を図りながら防災意識の普及・高揚に努めてまいります。また、町民の皆様が全幅の信頼を寄せている消防団につきましては、持続的な地域防災体制を確保するため、消防団員の加入促進や団員の技術向上に向けた研修、各種訓練を実施していくとともに装備品の充実を図ってまいります。
交通安全対策におきましては、交通安全指導隊をはじめ関係機関、町民の皆様と連携を図りながら、街頭指導や各幼稚園、小中学校等の交通教室を実施してまいりました。また、交通安全運動期間中には、飲酒運転根絶キャンペーンや高齢運転者の交通事故抑止対策としての教育支援事業などを積極的に推進してきたことにより、令和4年9月17日をもって交通死亡事故ゼロ1,000日を達成し、宮城県知事並びに宮城県警察本部長から褒状をいただきました。今後も交通安全対策事業を引き続き行っていくことで、全町民の交通安全意識の高揚を図ってまいります。
消費者行政及び防犯対策につきましては、近年、手口が巧妙化し増加している詐欺や悪徳商法への対策として、注意喚起による被害防止に加え、消費生活相談員による相談のほか、大崎定住自立圏等で実施している法律相談などを引き続き活用してまいります。特に高齢者の被害防止につきましては、防犯協会を中心に、警察など関係機関と連携して対応してまいります。
道路整備につきましては、道路の適正な維持管理のほか、継続事業であります「大谷地線道路整備事業」、令和6年4月に操業開始を予定している株式会社ウェルファムフーズに対する支援として進めております「尾切線道路整備事業」につきましては、本年度中の事業完了に向け、事業を推進してまいります。また、鹿飼沼地区ほ場整備事業内の「泥目木線道路整備事業」につきましては、早期の事業完了に向け橋梁工事に着手したところでございます。
耐震化対策といたしましては、通学路等の沿線に存在する危険なブロック塀の除却や、木造住宅耐震診断、耐震改修工事への助成を継続し、安全な生活環境の保全を図り、町営住宅におきましては、施設の維持補修の継続、空き部屋の修繕を行い低廉な家賃で貸し出し、居住の安定を図りながら、適正な管理に努めてまいります。
環境美化につきましては、町民総参加による一斉清掃の実施や不法投棄の防止、ごみの減量化、資源化を推進し、持続可能な社会・地域づくりに貢献いたします。また、高齢化や人口減少に伴い、適正管理が行われていない空き家等の増加が、衛生及び防災上、地域に深刻な影響を及ぼしていることから、引き続き所有者に適正管理を呼びかけ、安全で安心な生活環境の確保に努めてまいります。
東日本大震災を起因とする東京電力福島原子力発電所事故で生じました、農林業系汚染廃棄物の処分につきましては、引き続き一般ゴミとの混焼処理とすき込みによる処理を行ってまいります。今後も、町民の皆様の安全安心を最優先に細心の注意を払い実施してまいりますので、御理解をいただきますようお願い申し上げます。

協働による自立したまちづくり

第五、「協働による自立したまちづくり」について申し上げます。

町の活力を生み出し、財政危機を乗り切る方策としては、町民の皆様が主役となり、そこに行政も参加をするという「自助・共助・公助」を基本とする協働型まちづくりが肝要だと考えます。その土台づくりとして、自治会活動における地域住民の相互理解と融和を図るための支援を行うほか、地域活動の拠点となる集会所等の整備に対する補助を引き続き行い、地域コミュニティ活動の活性化を図ってまいります。
また、「地域おこし協力隊」の隊員が、様々な知見やアイディアを生かしながら「まちづくり」に積極的に参加することで、町民の皆様が主体的に活躍、活動できる「まちづくり」を推進してまいりたいと考えております。

国民健康保険事業勘定特別会計

国民健康保険事業勘定特別会計について申し上げます。

国民健康保険事業につきましては、人口減少に伴い、被保険者数の減少も進む中、高齢化や医療の高度化等の進展により、医療費の増加が見込まれますが、財政運営の責任主体である宮城県が掲げる国民健康保険運営方針に基づき、より一層の協力・連携を図りながら保険者機能を発揮し、徴収率の向上や医療費適正化対策の推進に努め、国保運営の更なる安定化を目指してまいります。また、未就学児を対象とする均等割保険税の減額につきましては、国が行う5割軽減策のほか町独自の支援策を継続し、均等割保険税の全額を減額することで、子育て世帯の経済的負担軽減を図ってまいります。
保健事業につきましては、「第二期データヘルス計画」に基づき、特定健診・特定保健指導の推進及び歯科保健事業の充実を図ってまいります。特に糖尿病性腎症の生活習慣病重症化予防対策につきましては、かかりつけ医との連携により重症化の予防に努めてまいります。また、国民健康保険病院で受診する「脳ドック」費用の助成を継続し、被保険者の疾病等の早期発見につなげるなど、町民の健康増進に取り組んでまいります。

介護保険事業勘定特別会計

介護保険事業勘定特別会計について申し上げます。

年々、高齢化が進み、要介護者を社会的に支える持続可能な介護保険制度の運営が求められているところでございます。こうした状況等を踏まえ、本年度「高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画」を策定し、充実した介護サービスの提供はもとより、適正な保険料率を設定することで、安定的な事業運営に努めてまいります。
また、第五次涌谷町総合計画で掲げております「健康長寿に向けたまちづくり」実現のため、地域包括支援センターを拠点として、医療・介護・住まい・生活支援及び介護予防が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の一層の充実を図ってまいります。そのためには、高齢者が地域コミュニティの中で尊敬され、自分の役割を果たし、生きがいをもって暮らしていくことが求められていることから、地域で高齢者を支えるネットワークを構築し、介護予防においては、住民主体による通いの場の拡大が必要と考え、関係機関と協働して自立支援に資する取組を進めてまいります。
認知症施策につきましては、容態の変化に応じて必要な医療や介護、生活支援等が連携したネットワークの構築を進め、認知症ケアの向上に努めてまいります。また、高齢者一人ひとりの医療や介護、健康診査等の情報を把握し、社会参加を含むフレイル予防を視野に入れた疾病予防と重症化予防に取組み、一層の健康寿命の延伸を目指してまいります。

水道事業会計

水道事業会計について申し上げます。

本年度の有収水量につきましては、単身世帯の増加等により、給水戸数は現状を維持しているものの、人口の減少や使用形態の変化等の影響により、前年度を下回ることを見込んでおります。このため給水収益につきましても減少が予想されるところでありますが、営業費用において内部経費の見直し等を行うことで、収益的収支におきましては、前年度並みの純利益を生じる見込みであります。
主な建設改良事業といたしましては、管路更新計画に基づき六軒町裏地内の配水管布設替工事等を実施するほか、施設の維持管理能力の向上を図るため、管路台帳システムの構築を進めてまいります。
今後も、将来的な広域連携等について、宮城県や他自治体の動向を注視するとともに、綿密な連携を取り合いながら情報収集し、事業を進めてまいりたいと考えております。
本年度も引き続き、安全な水の安定供給と健全な事業運営に努めてまいります。

下水道事業会計

下水道事業会計について申し上げます。

本年度の収益的収支の状況でございますが、営業収益のうち、下水道使用料では微増を見込み、営業費用におきましては、処理施設等の電気料金が高騰していることから前年度より増額となりましたが、全体では収支を均衡させた予算編成としております。
主な建設改良事業につきましては、公共汚水事業においてストックマネジメント計画に基づく、涌谷浄化センターの改築更新工事を継続し、安定的な水処理及び施設の長寿命化を図ってまいります。
雨水事業につきましては、田町裏地内の江合川右岸第三排水区雨水排水路整備事業に着手し、周辺地域の浸水被害軽減のため、事業を進めてまいります。
農業集落排水事業につきましては、最適整備構想に基づく箟岳中央地区処理施設の改築更新工事を継続し、適正な施設管理に努めてまいります。
本年度においても企業債償還金の増加に伴い、一般会計繰入金が増加しておりますが、財政再建計画を踏まえた予算編成としておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
下水道事業は地域の環境整備に欠かせないインフラですが、一方で、人口減少等による使用料の減収や、施設の更新費用等の問題が本町を含め全国的な課題となっております。
今後も、汚水処理の広域化・共同化の可能性について宮城県や他自治体と連携した検討を進め、下水道事業の将来像を考慮した、効率的で計画的な事業運営を行ってまいります。

国民健康保険病院事業

 

国民健康保険病院事業について申し上げます。

次に、国民健康保険病院事業会計について申し上げます。涌谷町国民健康保険病院を取り巻く環境につきましては、本院が位置する大崎・栗原医療圏において人口減少による患者数の減少に加え、少子高齢化の影響により、急性期の需要が減少し、逆に回復期の需要が増加するなど医療需要の変化がおきております。このような状況の中において、地域の皆様の命と健康を守る町立病院としての使命を果たしていくためには、環境の変化に対応した経営形態の見直しを行い、持続可能な医療体制を構築する必要があります。既に議員皆様に御案内のとおり、令和5年4月1日から病床数を121床から99床に削減するとともに、医療需要の低い急性期病床を減らし、医療需要の高い地域包括ケア病床を増やすなど、限られた医療資源を効率的に活用するための経営改革を図ってまいります。さらに、今年2月には、町内で診療を行う医療機関がございませんでした耳鼻咽喉科を新たに開設し、地域の皆様が様々な医療を受けやすい環境を整えたところであります。
また、病院経営につきましては、厳しい状況が続いており、皆様に大変御心配をおかけしているところではありますが、新しい病院事業管理者を迎え、職員一同、経営改善に向け努力し、本院の運営理念であります「住民に信頼され、安心・安全を提供する病院」を目指してまいります。

老人保健施設事業会計について申し上げます。

老人保健施設事業おきましては、昨年度、新型コロナウイルスのクラスター発生の影響により、通所リハビリの休所を行うなど、感染症予防に重点を置いた施設運営を行ってまいりました。本年度おきましても、未だ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、引き続き、感染予防対策に重点を置いた運営を行うとともに、老人保健施設の運営理念であります「地域包括ケアの推進」に向け、介護を必要とする高齢者に対して介護サービスやリハビリテーションなどを提供し、在宅復帰に向けた支援を行ってまいります。

訪問看護ステーション事業会計について申し上げます。

訪問看護ステーション事業につきましては、本町の地域包括ケアシステムの中において、障がいや病気があっても住み慣れた自宅で生活ができるために必要な役割を担っておりますが、その役割は今後、ますます重要になってまいります。引き続き、24時間緊急対応や、多様化する利用者ニーズのなかで祝日や年末年始も訪問を実施いたし、さらに、体調が安定されない利用者には頻回訪問を実施するなど、利用者に寄り添ったサービスを提供してまいります。

 

以上、令和5年度における町政運営について申し上げました。
ワクチン接種の普及などにより、新型コロナウイルス感染症の収束に明るい兆しが見えかけてきた矢先に、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、燃料価格の高騰など町民生活にも大きく影響を及ぼしております。また、激甚化し頻発する自然災害に対する不安感も拭いきれません。
そのような中にあっても、本町の未来を次の世代につなげていくために、本年度におきましても、第五次涌谷町総合計画後期基本計画を推進するとともに「財政非常事態からのいち早い脱却」に向け、職員共々全力で努力してまいる所存でございますので、町民の皆様、そして議員各位の御理解と御支援をお願い申し上げ、施政方針といたします。

お問い合わせ

企画財政課

宮城県遠田郡涌谷町字新町裏153番地2

電話:0229-43-2112

ファクス:0229-43-2693