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更新日:2020年8月28日
箟峯寺の夫婦杉、次郎杉、三郎杉、四郎杉は樹齢約九百年、神仏の聖地に相応しい雄姿を見せています。
杉は日本固有種、語源は幹が真直ぐ伸びる「直木」から来たか、長寿、高木、常緑樹で「木の文化」日本を代表する樹木です。古くから神が降臨し、霊の宿る木と崇められました。
縄文時代から利用され、金属が普及し伐採と木工が容易になった、弥生時代の静岡県登呂遺跡(約千八百年前)では、杉の土木・住居材、坏・杵など木器、鋤・田舟など農具が大量に出ています。
奈良時代の「万葉集」(約千二百年前)では「神杉」と呼び、「古の人の植えけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし(巻十・一八一四)」と詠み植樹していました。
鎌倉時代(約八百年前)には、武運長久を願い弓矢を射込む矢立杉であり、木工が発達し桶・樽が作られ、戦国時代(約五百年前)は杉樽に酒を入れ、木香をつけて流通しました。
現代でも、杉の家に住み、「杉の地名」が残り、「県木」にも指定されています。
民俗も生き続け、忌弔上げに杉卒塔婆を立て、蔵元が味酒醸造を願い「杉玉」を吊るし、「杉の升」で酒を飲んでいます。
【写真上:夫婦杉】【写真下:杉玉ー杉ばやし】
(文化財保護委員:伊藤源治)
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