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更新日:2022年8月4日

日本遺産「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」

「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」が令和元年度に文化庁日本遺産に認定されました

祝日本遺産認定

宮城県涌谷町・気仙沼市・南三陸町、岩手県陸前高田市・平泉町の2市3町が、文化庁が認定する「日本遺産」に、「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」を申請し、令和元年5月20日(月曜日)に令和元年度の認定を果たしました。

その後、令和4年7月に宮城県石巻市の「金華山道」「金華山詣」が構成文化財として追加認定されたことで、石巻市が構成市町に加わり、3市3町の体制で歴史・文化・文化財を生かした地域の活性化に取り組んでいます。

日本遺産「みちのくGOLD浪漫」にかかわる各種事業・イベントについて

日本遺産とは

「日本遺産(JapanHeritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(JapanHeritage)」として文化庁が認定するものです。

ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的としています。

今後は、共に申請した5自治体が手を携えて、それぞれが有する遺産遺構をさらに磨き上げて活用していき、交流人口・関係人を拡大させるとともに、次代の担い手育成、産業の発展、そして東日本大震災からの完全なる復興に向けた起爆剤として「日本遺産『みちのくGOLD浪漫』」を推進してまいります。

日本遺産に認定されたストーリーの概要

日本で初めて“金”が産出されたのは奈良時代の陸奥国。現在の岩手県や宮城県を含み「みちのく」とも呼ばれるこの地が生んだ“金”は富の象徴のみならず、奈良・東大寺の大仏や平泉・中尊寺金色堂を彩り、祈りの対象として人々の心に光を灯し続けてきました。

私たちは、時代とともに幾重にも結び付き、独自の文化や信仰、産業へと昇華した“金”と人々の縁を“みちのくGOLD”と名付け、価値や魅力の掘り起しを始めました。日々の生活や風土に溶け込んだ“みちのくGOLD”との出会いは、悠久の時を経ても色褪せることのない浪漫に満ち溢れています。

涌谷町の構成文化財

日本遺産に認定された涌谷町の構成文化財は次の通りです。

番号 文化財の名称 指定等の状況 ストーリーの中の位置づけ 文化財の所在地
≪黄金山(こがねやま)産金遺跡≫日本の“金”発祥の聖地
3-1

構成文化財・黄金山産金遺跡

黄金山産金遺跡

国史跡 黄金山地区にある仏堂跡。日本初の産金について聖武天皇が「神仏が祝福したもの」と宣べたことを受け、採金の現地に建立した仏堂です。日本初の産金の場所がこの地であることを確定する重要な遺跡です。 宮城県涌谷町
3-2

構成文化財・黄金山産金遺跡出土古瓦

黄金山産金遺跡出土古瓦

県有形(考古資料) 黄金山産金遺跡に建てられた仏堂に使われた屋根瓦。瓦の形状から円堂形式の仏堂が建てられたこと、『天平』と年号を記載した瓦が含まれるため仏堂の建築年代を天平年間に限定することができます。遺跡の内容を具体にする重要な資料です。 宮城県涌谷町(天平ろまん館)
3-3

構成文化財・黄金山神社

黄金山神社

拝殿:町有形
本殿:未指定
(建造物)
産金を記念して建てられた仏堂跡の上に建つ神社。神社の由緒は日本初の産金時まで遡り、近世まで金を産する山自体が御神体であったと伝えられています。産金を記念して建てられた仏堂が遺跡となった後も、日本初の産金地がこの場所にあることを伝えて続けてきた由緒ある神社です。 宮城県涌谷町
3-4

構成文化財・万葉歌碑

万葉歌碑

未指定(有形) 黄金山神社境内にある歌碑。聖武天皇とともに産出の喜びを詠う大伴家持の万葉歌を刻んでおり、「小田郡(涌谷町)にある山」で産出した「金」が、はるか奈良の都に運ばれ国家的な慶事となったことが詠み込まれています。「みちのくの金」を象徴する歌碑となっています。 宮城県涌谷町
3-5

構成文化財・箟岳山1

構成文化財・箟岳山の雲海

箟岳山

未指定(名勝、天然記念物) 涌谷町域の中心に位置する霊峰箟岳山(236m)。黄金沢を始めとして、砂金を産出する河川が山中を流れています。万葉歌に「小田郡(涌谷町)にある山」で産出したとあり、この山を舞台に日本初の採金事業が展開したことが明らかとなっています。 宮城県涌谷町
3-6

構成文化財・涌谷の砂金

箟岳・涌谷の砂金

未指定(天然記念物) 涌谷町の箟岳山から産出する砂金。地層の中に砂金が堆積する二次鉱床を起源とします。日本の採金史が「砂金採り」にはじまることを明示する鉱物です。749(天平21)年に初めて採取した砂金は、東大寺盧舎那仏の鍍金(金メッキ)材料として用いられました。 宮城県涌谷町(天平ろまん館)
~花咲け“みちのくGOLD”浪漫~
6-1

構成文化財・箟峯寺

箟峯寺

観音堂・白山社・仁王門:町指定(建造物) 日本初の金を産出によって「神仏の加護を受けた聖なる山」と位置付けられた箟岳山は、平安時代になると山岳信仰と結びつき「みちのくに安泰をもたらす聖地」と認識されるようになりました。一山寺院「箟峯寺」は、創建から1,250年を経た今も山頂を「殺生禁断」の聖域としてまもり続けており、地域信仰の拠点となっています。箟峯寺は、産金で名を馳せた山が聖地化する中で、地域の安定を願う信仰の対象へと昇華したことを示す好例です。 宮城県涌谷町
6-3

構成文化財・砂金採りの道具

砂金採取民俗資料一式

未指定(民俗資料) 箟岳山の沢での砂金採取に使われた道具類。古代より続けられてきた砂金採りは、近世の御本判制度を通じ、地域の人々の生活を支える生業として根付きました。日本初の産金地である涌谷町でも、近年まで、農閑期の副業として砂金採りが行われてきました。暮らしの中に溶け込み、息づいてきた道具です。 宮城県涌谷町(天平ろまん館)

お問い合わせ

生涯学習課文化財保護班

宮城県遠田郡涌谷町字下道69番地1

電話:0229-43-3001

ファクス:0229-43-3536