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更新日:2016年5月12日

箟岳山実相坊のいちい(涌谷町指定天然記念物)

箟岳山実相坊のいちい1

箟岳山実相坊のいちい2

実相坊のいちいの木は樹齢約四〇〇年、宮城県内有数の巨木で、呼び名は多くあり「スダオノキ」「アララギ」「オンコ」とも呼ばれています。

いちいは「笏」を作る木から官位〈一位〉の名をたまわ賜ったとされ、仏像、弓、お椀、箸の材料になります。

いちいは雌雄異株、実相坊は雌株で、秋に赤い実を付け野鳥の格好の餌になっています。

実相坊のお話では箟岳で生まれ育ち、宮城県外で年を重ねた人が、いちいを見に訪ねて来るといいます。

若き日に、ふるさと箟岳を後にした人々の懐かしい古木です。

日本人は古来、いちいは霊のやど宿る木として願いを懸けて来ました。

農民信仰が篤い箟峯寺の古い記録にも、風止み、雨乞いの祈祷があり、神仏の聖地である箟岳山に相応しい樹木です。

天台宗無夷山箟峯寺の寺伝では、奈良時代の宝亀元年(七七〇)に大伴駿河麻呂が加賀白山宮を勧請し、大同二年(八〇七)に坂上田村麻呂が観音堂を建立したのが始まりと伝えています。

円妙院実相坊は一山寺院箟峯寺江戸時代二十四坊、現在十四坊の一坊で、平安時代の嘉応二年(一一七〇)加護坊山から現在地に移り、以来、約八五〇年の信仰を守り続けています。

実相坊が平成十四年(二〇〇二)から始めた「つるしびなまつり」は人気を博し、大和優雅監督の映画「つるしびな」の撮影地になりました。

つるしびなは、毎年、四月十五日から五月五日まで飾られています。

(涌谷町文化財保護委員:伊藤源治)

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