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更新日:2018年12月3日

ふるさとの火(一)ーかまど

「かまど」で煮炊きする風景は失われ、土間のかまどの赤い炎、飛ぶ火の粉、煙、釜の湯気も記憶の彼方です。

かまどは朝鮮語に由来し、日本語では「くど」、今から約千五百年前、古墳時代に朝鮮半島から伝来しました。今でも、この呼称は全国に残り、涌谷辺りでも高齢者には「くど」と呼ぶ人もいます。

何より、神の宿る火所で、燃料も稲・麦藁、薪、柴に限り、正月には、注連縄を付け、酒、餅を供えて、清浄を保ったものです。

時代により、かまどの場所とかたち、材料が粘土、岩、煉瓦と変化しても、暖房、煮炊き、萱葺屋根の薫蒸の役割は同じです。

生活の単位であり、家の数を「かまど数」と数えます。家の象徴でもあって、本家は「本家かまど」分家することを「かまどを分ける、建てる」家の崩壊・離散を「かまどを返す」と云いました。

かまど2大きな農家には、土間に家族と牛馬用の二つがあり、家の豊かな暮らし向きを意味しました。

古代の日本では、かまどから煙が立ち、甑から蒸気が揚ることは、民人が飢えず、安寧に暮らしている証でした。

為政者が、山上から見る、民のかまどから立つ煙は、自らの「政」が正しく、うまし国と讃える「標」でもありました。

(涌谷町文化財保護委員:伊藤源治)

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