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更新日:2020年6月2日

民俗の四季ー節分の行事ー

二月三日の節分には、多くの家で豆まきをします。

節分とは立春、立夏、立秋、立冬の前日のことですが、今は立春の前日だけを言うようになりました。節分の夜を大年、歳の夜などという地方があり、立春を年の改まる日とする考えがあったことがうかがえます。旧暦では正月の頃にこの日が来ることが多かったので、行事に混乱がみられ、豆まきを大晦日の日に行なっているところもあります。節分

厄災である鬼を追い払い、幸いをもたらすものを福として招き入れる風習が一般的ですが、地方によっては鬼を招き入れて酒食を振る舞って歓待するという風習を伝承している所もあります。こうした地方では、節分に来る鬼は、子孫と交流し守り、幸せにするためにご先祖様が神として来訪するとの、古来の考えが継承されてきたのでしょう。民俗学界においてはこの説が支持されているようですね。

先年、日本の来訪神行事十件が、ユネスコ無形文化遺産として登録されました。日本の来訪神行事は、先ず男鹿の大晦日のナマハゲや、能登の節分のアマメハギが思い浮かびます。共に子供が怠けないように恐ろしさを印象付けて訓戒する行事となっています。

外国の例を見るとハロウィンの仮装や子供に贈物を配るサンタクロースなども季節毎に来訪する神と言えますね。

節分に恵方巻と言う巻き寿司を恵方に向かって丸かじりすると願い事がかなうとされる近年の風習は、大阪の船場商人や遊郭、大阪海苔問屋組合、スーパーの宣伝チラシから始まったなど諸説がありはっきりしません。商魂と、幸せを求める民心が生み出した現代の習俗と言えます。

消えゆく古来の習俗があれば、時代が作る新しい習俗もあるのですね。

(文化財保護委員:本郷和郎)

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