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更新日:2019年3月6日

民俗の四季ーひな祭り

三月三日のひな祭りは桃の節供・上巳の節供と言う五節供のひとつです。

ひな祭り前が近くなると人形店には内裏雛が並び、華麗豪華さを競いますが、民間に今の様な形のひな祭りが広まったのは、季節に関係しない宮中の人形遊びが古来の民間信仰の習俗に溶け合った江戸時代になってからですね。

春三月は農作業の始まる季節で、田植え前の時期に、精進をして山の神=作神を迎え、身の穢れを流すために、いわゆる人形を作って体をなでて穢れを移し川に流しました。俗にひな人形を長く飾ると婚期が遅れると云われるのもひな人形が穢れの付いた人形であった感覚を今に伝えているものと考えられます。ひな祭り

涌谷でもひな祭りには女の子を持つ多くの家で雛壇を飾り、菱餅・桃の花・白酒を供えて祝います。雛壇に飾る内裏雛の並びは古来、男雛が左側(向かって右)であったのですが、明治の終り頃から逆になって、今では左側に女雛を据えるのが一般的ですね。

ひな祭りは女の子の節供とされていますが、男の子の節供と思われる風習も残っています。鳥取県因幡地方では、三月三日は天神の節供といって、男の子が泥で作った天神を飾り、ご馳走を重箱に詰めて山遊びをしたり、農作物を荒らす鳥獣が田畑に近づかないように猪や烏を描いた的を撃つ厄災払いの行事もあり、男の子の節供と見られます。

穢れ厄災を祓うことは男にも女にも生活のリズムをつくっていく上で大切なことであり、雛人形を飾る風習が都会の貴族、武家に広まり現在の女子のひな祭りが定着し一般化したと考えれば、地方の農山村に男子中心の三月節供が行われていても別におかしいことでもないのですね。

(涌谷町文化財保護委員:本郷和郎)

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