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更新日:2020年6月30日

『亘理家譜』と涌谷伊達家

資料集2

涌谷町教育委員会では、4月より文化財資料集第2集『涌谷伊達家の家譜・系図』を刊行し、町立史料館などで販売をはじめました。

内容の中心は、亘理宗隆より伊達安藝村清までの亘理家歴代当主十三名の事績をまとめた『亘理家譜』です。

江戸時代末期、伊達義基がはじめた家譜の編纂事業を月将館初代学頭であった坂元輔が受け継ぎ、一八四一(天保十二)年に撰したもので、一五四四(天文十三)年より一八二〇(文政三)年までの二七七年間に及ぶ事績を歴代、年月順で、全十三巻(十冊)にまとめた本です。

江戸時代、仙台藩一門の名家として大きな役割を果たしてきた涌谷伊達家。どのような人が、どのような事績をなしながら代をつむいできたのかを伺うことのできる根幹の書と言えます。

亘理家譜全体内容からは、常に仙台藩主をもりたてて、幕府老中などとの饗応をこなし、時には代理や補佐を仰せつかりながら、涌谷と仙台そして江戸をつなぐ日々であった様子が伺えます。特に、伊達宗重が寛文事件(伊達騒動)において、藩の安泰を求め命を賭した行動が「日本第一、忠義之士」と讃えられて以降は、日本のかくれ無き譽ある重家と位置付けられました。

また家譜には、数多くの涌谷伊達家の家臣たちも登場します。彼らもまた、歴代の亘理家(涌谷伊達家)当主と共に歩みながら、「涌谷」を担い郷土を支えてきた人々であったと言えるでしょう。

涌谷町史編纂の基礎史料ともなっている『亘理家譜』。是非この機会に読んでみてはいかがでしょうか。

(生涯学習課:福山宗志)

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