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更新日:2018年10月5日

箟峯寺の寛文の鐘

箟峯寺境内にある大きな梵鐘は、通称「寛文の鐘」と言われています。昭和44年大晦日のNHKテレビ番組ゆく年くる年で除夜の鐘が放映されて、全国にその名を馳せました。その後もラジオとテレビで1回ずつ除夜の鐘が放送されました。北海道南西沖地震があった年で、奥尻島青苗地区からの放送と、偶然にも天台宗総本山延暦寺からの放送も一緒でした。寛文の鐘

古来より「天下の名鐘(めいしょう)、黄鐘調(おうしきちょう)」と言われています。黄鐘は音階を表し、洋音階ハ長調の「ラ」の音に相当します。この高さで鳴り響く鐘の音が一番いい音色だと言われてきたようです。とても良い響きですねとか、遠くまで聞こえてきますよなど、実に350年の長きに亘って打ち鳴らされて、参拝の皆さんからは大変好評をいただいてきました。さすがに年数を経て、経年劣化による金属疲労を来していることが判明しました。先月号の広報わくやで紹介されましたとおり、涌谷町の文化財の指定を受けましたが、このままでは今後の打鐘にいつまで持ち堪えられるかわかりません。現在新しい梵鐘を鋳造、交代の準備をしています。

ところで、この梵鐘の内外両面に銘文が刻まれています。外面は梵鐘の製作の趣意、並びに箟岳山、箟峯寺の経歴、仏法の尊さなどが述べられています。末尾は次のようです。

寛文十一年中冬十七日
石水和尚筆記

施檀棟梁として

伊達安藝守藤原宗重
伊達武庫守藤原宗元

注目されるのは寛文十一年三月にこの世を去ったはずの伊達安藝宗重公の名が刻まれていることです。宗重公宗元公親子で鋳造発願したのでしょうが、梵鐘の製作には時間がかかり、宗重公は完成納品には立ち会えなかったのでしょう。

(涌谷町文化財保護委員:坊城延溟)

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