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更新日:2021年2月22日

「晴れの日」と年中行事のこと

新年を迎え、多くの方々は「晴れ着」を着て神棚を拝み涌谷神社や箟岳観音等の社寺に初詣をし、良き年になるようにと祈られたかと思います。

正月や節句、お盆などの年中行事、神社仏閣の祭礼、冠婚葬祭を行う日を晴れの日というのはすでにご承知ですね。

「晴れの日」は普段どおりの日常生活とは異なる、特別な感情をもって迎える日で、晴がましい気持ちで、晴れ着を着て、晴れの場所に出て、晴れの膳につき、定まった特殊な行為、何らかの意味で祭りをする日なので、常の日のように働かなくてよい、むしろ働いてはならない日でした。因みに、昔は黄金山神社等祭礼の日は地域の学校が休みだったんだと謂われてますね。

民俗学者柳田国男は、神を祭るなどの特別な日を「ハレ(晴)の日」、普通の日常の日を「ケ(褻)の日」としています。「ケ」とはふだん着を指す「褻着(けぎ)」のケからきており、ハレとケの循環による生活が日本人の暮らしのリズムであったと解釈されてます。

そのハレの日に着る着物が晴れ着で単に上等な着物を着るという意味ではないのです。晴れ着に対する日常の衣服を「褻着」と呼んだ地方の言葉も今は廃れてしまいました。

「ケ」は日常の生活を送る日ですが「ケ」の生活リズムが順調にいかなくなる時は、「気枯れ(けがれ)」つまり「ケガレ」=穢(けが)れたと考えました(これには諸説あります)。死喪やお産に接することなどは不浄なケガレ(穢れ)として忌み嫌い、禊(みそ)ぎをしお袚いして身を清めました。このケガレを取り除いた状態がハレでした。「ケ」と云う語は巷間には聴かれませんが、ハレについては、晴れ舞台、晴れ姿などの言葉がたくさんありますね。

(文化財保護委員:本郷和郎)

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